歯周病とは

歯垢染色液-01

歯周病は、「歯の病気」ではありません。歯と歯肉の間にプラークによって引き起こされる「歯の周りの病気」です。歯肉の炎症による出血や発赤、腫脹などの諸症状が見られる「歯肉炎」、さらに炎症が進行すると歯を支える歯槽骨が破壊される「歯周炎」となります。また「歯槽膿漏」とは、歯周炎が重度に進行した状態です。

 

歯周病の進行

健康な状態
歯肉炎
軽度歯周病
中度歯周病
重度歯周病
脱落
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『健康な状態』・・・歯と歯ぐきの間の隙間がなく、引き締まっている状態
『歯肉炎』・・・歯茎が腫れて、出血や口臭などの症状が出ている状態
『軽度歯周病』・・・歯ぐきが腫れ上がったり、歯磨きや食事中に出血する状態
『中度歯周病』・・・歯ぐきの炎症が慢性化し、歯槽骨(歯の根を支える骨)が溶け始めた状態
『重度歯周病』・・・歯槽骨が溶けて、歯がグラグラしたり、歯根が露出した状態

更に放置すると、やがて歯に支えがなくなり、歯が抜けてしまう場合があります。この時点で治療を始めても、抜歯する以外に歯を残す方法はありません。

 

サイレントキラーと呼ばれる歯周病

歯周病には別名があります。”サイレントキラー” 日本語だと「静かな殺し屋」や「静かな病」です。なぜこのようなインパクトの強い呼び名がついたかというと、歯周病や歯槽膿漏の場合には自覚症状がありません。 進行した場合には歯がグラグラ(動揺)しだしたり、歯茎が赤くなり腫れてくる、または出血してきます。既に説明した通り、歯は歯肉の下にある顎の骨によって支えられています。そして、その顎の骨が減ることを歯周病(歯槽膿漏)と言います。知らず知らずのうちに歯肉炎から進行して、歯槽骨や周囲組織を破壊し、気付いた時には取り返しがつかない状態になっていることから、誰にも気づかれずに密かに忍び寄り、そして殺す《暗殺者》のような病気なのです。

 

歯周病の感染率はギネス®級

歯の抜ける原因というと虫歯を想像する方が多いかもしれませんが、国内で行った調査によると全世代を通して歯を喪失した最大の原因は「歯周病」でした。その割合はというと、全体の4割以上を歯周病が占めています。また成人のうち5人に4人が感染しているとも言われており、非常に感染者が多く、且つそれは歯を失うリスクが最も高い病気なのです。世界的に見ても歯周病に感染または発症している人は多く、世界記録を管理するギネスでは人類史上最も感染者が多い病気に「歯周病」を登録したことを発表していました。

 

特に40代からは、歯周病対策は不可欠

なぜ40代からかというと、前出の歯の喪失調査にて40代から歯周病による抜歯が急増し、50代からは歯を失った原因の半数以上が歯周病です。つまり40代以降は歯周病のリスクに対しての対策を行わなければいけないのです。歯周病の特徴として自覚症状がないまま進行することから、少なくとも半年に1回はかかりつけ歯科医院にて定期検診を受ける必要があります。

歯周病治療」のページに、治療の流れを掲載しております。